2007年11月23日
毛が抜ける思い!!
2.5GHz帯事業免許申請は、四巴の熾烈な争いになっています。
そんな中で一人気を吐きながらも、『誰が日本を世界一ブロードバンドが安くて速い国にしたのか。誰が一番この分野で“毛が抜ける”ほど頑張ったのか。パソコンを使ったブロードバンドのワイヤレス化ということであれば,我々の方が得意である』とウィットに富んだ言葉は、さすが孫正義氏ですね。
写真1●左からアッカ・ワイヤレスの木村正治代表取締役社長,ワイヤレスブロードバンド企画の田中孝司代表取締役社長,オープンワイヤレスネットワークの孫正義代表取締役,ウィルコムの喜久川政樹代表取締役社長

◎日経 ITpro (2007/11/23) よる転載
2.5GHz帯事業参入を巡り公開討議,ソフトバンク孫社長がウィルコムとKDDI陣営の排除を主張
総務省は11月22日,2.5GHz帯事業免許を申請した4社を集めた公開カンファレンスを開催した(写真1)。出席したのは,ウィルコムの喜久川政樹代表取締役社長,オープンワイヤレスネットワークの孫正義代表取締役,ワイヤレスブロードバンド企画の田中孝司代表取締役社長,アッカ・ワイヤレスの木村正治代表取締役社長の4人(申請順)。オープンワイヤレスネットワークの孫氏が,事前の一部報道で有利とされたワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムにかみついたことから議論は白熱した。
申請中の4社は,ウィルコムは単独,それ以外の3社は国内の主要通信事業者をはじめ様々な企業が出資するジョイント・ベンチャー。オープンワイヤレスネットワークにはソフトバンクとイー・アクセスが,ワイヤレスブロードバンド企画にはKDDIが,アッカ・ワイヤレスにはアッカ・ネットワークスと NTTドコモが出資している。
カンファレンスでは,まず,4社の代表が自社のサービスや申請内容についてプレゼンテーションを行った(表1)。ウィルコムは,動的チャネル割り当て(DCA)によるマイクロセルの優位性と,MVNO(仮想移動体通信事業者)や端末のオープン化の実績をアピール。オープンワイヤレスネットワークは,MVNOへのネットワーク卸売りを事業とすることを「MVNO中心主義」と説明し,さらに実質的な運営者であるソフトバンクとイー・アクセスのブロードバンドでの実績を強調した。
ワイヤレスブロードバンド企画は,筆頭株主であるKDDIの沖中秀夫氏がWiMAXフォーラムのボード・メンバーに就任していることや,標準化団体であるIEEE 802委員会のワーキング・グループに議長を輩出していることなどの技術力をアピールした。アッカ・ワイヤレスは,アッカ・ネットワークスが主導権を取ることで,携帯電話・PHS事業者との中立的な立場を取れると主張した。
質疑応答は孫氏が主役で進む
各社のプレゼンテーション終了後,事業者同士の質疑応答に移った。議論で主役となったのは,オープンワイヤレスネットワークの孫氏である。ウィルコムとワイヤレスブロードバンド企画には,2.5GHz帯の周波数を割り当てるべきではないとの論陣を張った。
次世代PHSを推進するウィルコムに対しては,「2.5GHz帯は世界中でモバイルWiMAXに利用される見込みだ。(ウィルコムが免許を獲得すると)国内のモバイルWiMAX事業者は1社独占になり構造としてよくない。現行の1.9GHz帯でも工夫すれば余裕があるのではないか。または,アイピーモバイルが返上した2GHz帯跡地で事業をすることは不可能なのか」と問いかけた。
ワイヤレスブロードバンド企画に対しては,「(筆頭株主である)KDDIは第3世代携帯電話で2GHz帯を有効利用していない。7年間で6200 基地局しか設置していない。私から見れば前科1犯だ。使い切っていないのに電波を欲しがるのはどうかと思う」と非難。「2.5GHz帯でのサービスは,パソコン中心なのか携帯電話中心なのか。携帯電話中心で考えているならば,2GHz帯を使ってから割り当てを求めて欲しい」と質問した。
ウィルコムの喜久川社長は,2.5GHz帯が20MHz幅または30MHz幅を使えるのに対し,2GHz帯は15MHz幅しかないと「周波数幅もフェアに考えて欲しい」と反論。「1.9GHz帯に余裕はない。2GHz帯はIMT-2000バンドで,次世代PHSは入っていないが,モバイル WiMAXは一方式として採用されている(関連記事)。モバイルWiMAXを採用する方が2GHz帯に行けばいいのではないか」と切り返した。
ワイヤレスブロードバンド企画の田中社長は,「パソコンか携帯電話かと言われれば,パソコンをベースに市場を作る。しかし,パソコン向けのサービスだけでは見込めるユーザーが少なく,ビジネスが成り立たない。携帯電話とパソコンの中間にある新しい市場をいかに切り開くかがポイントだと思っている」と回答。具体的には,UMPC(ultra-mobile PC)やMID(mobile internet device)の販売プロモーションを行うとした(関連記事)。
これに対して孫氏は,「誰が日本を世界一ブロードバンドが安くて速い国にしたのか。誰が一番この分野で“毛が抜ける”ほど頑張ったのか。パソコンを使ったブロードバンドのワイヤレス化ということであれば,我々の方が得意である」と,Yahoo!BBでの実績をアピールした。
孫氏はアッカ・ワイヤレスにはラブコール
さらに,ワイヤレスブロードバンド企画に対しては,「KDDI陣営の事業計画はKDDI中心主義に思える。MVNOにネットワークを開放するとしているが,フェアな条件でネットワークを提供する気はあるのか」(オープンワイヤレスネットワークの孫氏)とMVNOの実現性に疑問を投げかけた。
ワイヤレスブロードバンド企画の田中社長は「事業立ち上げの段階では,我々自身が垂直統合的にサービスをすることもある。だが,MVNOは重要なビジネス・パートナーだと考えている。MVNOの専用窓口を設けたり,MVNO向け標準プランを公開したりするなど支援する計画もある」と反論した。これに対して孫氏は,カンファレンス終了後に「KDDIは卸売りの経験がない事業者だけに,自社と競合するかもしれない事業者をフェアに扱えるか不安がある」と漏らすなど最後まで不信感をぬぐえなかった様子だ。
その一方で,「アッカの計画は我々と近いように見える。力を合わせることもできるのではないか」(オープンワイヤレスネットワークの孫氏)とアッカ・ワイヤレスにはラブコールを送る一幕があった。
今後の免許の行方は,事前に決められたプロセス通り,総務省と電波監理審議会に委ねられた。12月中には,2.5GHz帯の事業免許を割り当てる事業者が発表される見込みである。だが,孫氏は「密室で決めるのは納得がいかない」と気炎を上げており,今後も一悶着ありそうだ。
そんな中で一人気を吐きながらも、『誰が日本を世界一ブロードバンドが安くて速い国にしたのか。誰が一番この分野で“毛が抜ける”ほど頑張ったのか。パソコンを使ったブロードバンドのワイヤレス化ということであれば,我々の方が得意である』とウィットに富んだ言葉は、さすが孫正義氏ですね。
写真1●左からアッカ・ワイヤレスの木村正治代表取締役社長,ワイヤレスブロードバンド企画の田中孝司代表取締役社長,オープンワイヤレスネットワークの孫正義代表取締役,ウィルコムの喜久川政樹代表取締役社長

◎日経 ITpro (2007/11/23) よる転載
2.5GHz帯事業参入を巡り公開討議,ソフトバンク孫社長がウィルコムとKDDI陣営の排除を主張
総務省は11月22日,2.5GHz帯事業免許を申請した4社を集めた公開カンファレンスを開催した(写真1)。出席したのは,ウィルコムの喜久川政樹代表取締役社長,オープンワイヤレスネットワークの孫正義代表取締役,ワイヤレスブロードバンド企画の田中孝司代表取締役社長,アッカ・ワイヤレスの木村正治代表取締役社長の4人(申請順)。オープンワイヤレスネットワークの孫氏が,事前の一部報道で有利とされたワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムにかみついたことから議論は白熱した。
申請中の4社は,ウィルコムは単独,それ以外の3社は国内の主要通信事業者をはじめ様々な企業が出資するジョイント・ベンチャー。オープンワイヤレスネットワークにはソフトバンクとイー・アクセスが,ワイヤレスブロードバンド企画にはKDDIが,アッカ・ワイヤレスにはアッカ・ネットワークスと NTTドコモが出資している。
カンファレンスでは,まず,4社の代表が自社のサービスや申請内容についてプレゼンテーションを行った(表1)。ウィルコムは,動的チャネル割り当て(DCA)によるマイクロセルの優位性と,MVNO(仮想移動体通信事業者)や端末のオープン化の実績をアピール。オープンワイヤレスネットワークは,MVNOへのネットワーク卸売りを事業とすることを「MVNO中心主義」と説明し,さらに実質的な運営者であるソフトバンクとイー・アクセスのブロードバンドでの実績を強調した。
ワイヤレスブロードバンド企画は,筆頭株主であるKDDIの沖中秀夫氏がWiMAXフォーラムのボード・メンバーに就任していることや,標準化団体であるIEEE 802委員会のワーキング・グループに議長を輩出していることなどの技術力をアピールした。アッカ・ワイヤレスは,アッカ・ネットワークスが主導権を取ることで,携帯電話・PHS事業者との中立的な立場を取れると主張した。
質疑応答は孫氏が主役で進む
各社のプレゼンテーション終了後,事業者同士の質疑応答に移った。議論で主役となったのは,オープンワイヤレスネットワークの孫氏である。ウィルコムとワイヤレスブロードバンド企画には,2.5GHz帯の周波数を割り当てるべきではないとの論陣を張った。
次世代PHSを推進するウィルコムに対しては,「2.5GHz帯は世界中でモバイルWiMAXに利用される見込みだ。(ウィルコムが免許を獲得すると)国内のモバイルWiMAX事業者は1社独占になり構造としてよくない。現行の1.9GHz帯でも工夫すれば余裕があるのではないか。または,アイピーモバイルが返上した2GHz帯跡地で事業をすることは不可能なのか」と問いかけた。
ワイヤレスブロードバンド企画に対しては,「(筆頭株主である)KDDIは第3世代携帯電話で2GHz帯を有効利用していない。7年間で6200 基地局しか設置していない。私から見れば前科1犯だ。使い切っていないのに電波を欲しがるのはどうかと思う」と非難。「2.5GHz帯でのサービスは,パソコン中心なのか携帯電話中心なのか。携帯電話中心で考えているならば,2GHz帯を使ってから割り当てを求めて欲しい」と質問した。
ウィルコムの喜久川社長は,2.5GHz帯が20MHz幅または30MHz幅を使えるのに対し,2GHz帯は15MHz幅しかないと「周波数幅もフェアに考えて欲しい」と反論。「1.9GHz帯に余裕はない。2GHz帯はIMT-2000バンドで,次世代PHSは入っていないが,モバイル WiMAXは一方式として採用されている(関連記事)。モバイルWiMAXを採用する方が2GHz帯に行けばいいのではないか」と切り返した。
ワイヤレスブロードバンド企画の田中社長は,「パソコンか携帯電話かと言われれば,パソコンをベースに市場を作る。しかし,パソコン向けのサービスだけでは見込めるユーザーが少なく,ビジネスが成り立たない。携帯電話とパソコンの中間にある新しい市場をいかに切り開くかがポイントだと思っている」と回答。具体的には,UMPC(ultra-mobile PC)やMID(mobile internet device)の販売プロモーションを行うとした(関連記事)。
これに対して孫氏は,「誰が日本を世界一ブロードバンドが安くて速い国にしたのか。誰が一番この分野で“毛が抜ける”ほど頑張ったのか。パソコンを使ったブロードバンドのワイヤレス化ということであれば,我々の方が得意である」と,Yahoo!BBでの実績をアピールした。
孫氏はアッカ・ワイヤレスにはラブコール
さらに,ワイヤレスブロードバンド企画に対しては,「KDDI陣営の事業計画はKDDI中心主義に思える。MVNOにネットワークを開放するとしているが,フェアな条件でネットワークを提供する気はあるのか」(オープンワイヤレスネットワークの孫氏)とMVNOの実現性に疑問を投げかけた。
ワイヤレスブロードバンド企画の田中社長は「事業立ち上げの段階では,我々自身が垂直統合的にサービスをすることもある。だが,MVNOは重要なビジネス・パートナーだと考えている。MVNOの専用窓口を設けたり,MVNO向け標準プランを公開したりするなど支援する計画もある」と反論した。これに対して孫氏は,カンファレンス終了後に「KDDIは卸売りの経験がない事業者だけに,自社と競合するかもしれない事業者をフェアに扱えるか不安がある」と漏らすなど最後まで不信感をぬぐえなかった様子だ。
その一方で,「アッカの計画は我々と近いように見える。力を合わせることもできるのではないか」(オープンワイヤレスネットワークの孫氏)とアッカ・ワイヤレスにはラブコールを送る一幕があった。
今後の免許の行方は,事前に決められたプロセス通り,総務省と電波監理審議会に委ねられた。12月中には,2.5GHz帯の事業免許を割り当てる事業者が発表される見込みである。だが,孫氏は「密室で決めるのは納得がいかない」と気炎を上げており,今後も一悶着ありそうだ。
孫正義氏の頭髪が、全部抜けてしまいそうな報道です。
◎CNET Networks Japanより転載
次世代無線免許、KDDIとウィルコムに決定か--総務省「現時点で事実はない」
2.5GHz帯を利用した次世代高速無線通信について、KDDIなど6社が共同出資するワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムの2事業者に対し、総務省が免許を付与することを内定したと一部で報道された。
これについて総務省では「現時点で確定した事実はない」としており、21日に開催される電波監理審議会に諮問をするための審議を進めているという。審議会での諮問後、同日中に答申を得て正式に発表される予定だ。
2.5GHz帯を利用した次世代高速無線通信については、モバイルWiMAX方式でのサービス展開を目指すワイヤレスブロードバンド企画と次世代PHS方式を採用するウィルコムのほかに、アッカ・ネットワークスやNTTドコモらのアッカ・ワイヤレス、ソフトバンクやイー・アクセスらが中心となったオープンワイヤレスネットワークの計4陣営が免許取得を競っている。
◎CNET Networks Japanより転載
次世代無線免許、KDDIとウィルコムに決定か--総務省「現時点で事実はない」
2.5GHz帯を利用した次世代高速無線通信について、KDDIなど6社が共同出資するワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムの2事業者に対し、総務省が免許を付与することを内定したと一部で報道された。
これについて総務省では「現時点で確定した事実はない」としており、21日に開催される電波監理審議会に諮問をするための審議を進めているという。審議会での諮問後、同日中に答申を得て正式に発表される予定だ。
2.5GHz帯を利用した次世代高速無線通信については、モバイルWiMAX方式でのサービス展開を目指すワイヤレスブロードバンド企画と次世代PHS方式を採用するウィルコムのほかに、アッカ・ネットワークスやNTTドコモらのアッカ・ワイヤレス、ソフトバンクやイー・アクセスらが中心となったオープンワイヤレスネットワークの計4陣営が免許取得を競っている。
Posted by 昏君 at 22:52│Comments(0)
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