2009年03月10日
レセプト完全電子化を後退
日経の社説にですが、最先端を行くべき医療分野でこんな状態だだとは…。
診療報酬の明細書(レセプト)の電子化が全然進んでいないのです。進まない理由として、専用のコンピューターシステムを導入するための投資負担が重い、高齢の医師が経営する過疎地の診療所は電子請求の作業に十分に対応できない、などが上がっています。
しかし社説も指摘するとおり、レセプトが電子化されると診療報酬の不正請求がチェックしやすくなるからだと感じます。
申告の時期に病院や薬局の領収書を整理するのは厄介なもので、領収書を無くしたりしています。これが完全電子化すればどんなに有難いか。全く、いい加減こんなアホな言い訳は止めて、医療分野も明朗会計にしてもらいたいですね。
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社説1 レセプト完全電子化を後退させるな(3/9)
経済社会の様々な場面でIT(情報技術)が革新し、くらしが便利になっている。だがIT化が遅れている分野もまだある。代表は医療だ。
医療機関が患者を治療したり薬を処方したりしたときに健康保険組合などに出す診療報酬の明細書(レセプト)も、IT化はさほど進んでいない。2008年 12月診療分の電子請求の割合をみると、病院は57%だが診療所は4%にすぎない。歯科の請求にいたっては、いまだにすべて紙のレセプトに頼っている。
政府は11年度から完全に電子化すると閣議決定済みだ。ところがこの公約をほごにして「完全電子化」を「原則電子化」に変え、3月中に閣議決定し直すよう求める声が自民党内に急速に広がりつつある。
同党の支持基盤である日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の反対運動を受けた動きだ。その理由として、専用のコンピューターシステムを導入するための投資負担が重い、高齢の医師が経営する過疎地の診療所は電子請求の作業に十分に対応できない、などをあげている。
しかし、これらは電子化を忌避するための言い訳ではないか。診療所のシステム投資には税制上の支援策や厚生労働省の独立行政法人による低利融資がある。診療報酬政策でも電子化への加算制度を設けた。コンピューター操作に難がある高齢医師などを対象に、地域の医師会が請求を代行する仕組みも準備中だ。
完全電子化は必ず成し遂げるべき医療制度改革の柱である。請求事務の効率化や人件費の圧縮を通じ、国民医療費の増大を抑えるのに役立つからだ。電子請求があまねく行き渡れば、病気の種類ごとに治療方法を標準化する作業にも弾みがつく。
さらに医療機関が診療報酬を請求する過程が健保組合や患者本人にガラス張りになり、過大請求や不正請求があった場合は即座に見抜けるようになる。一部の医療関係者に根強い反対論の根っこに、ガラス張り請求への抵抗があるのだろうか。
医療政策に影響力を持つ自民党議員のなかには、電子化を強いれば閉院を余儀なくされる診療所が出てくるので地域医療が崩壊するという声がある。小泉構造改革の負の側面だとレッテルを張り、世論の共感を得ようという思惑も見え隠れする。
その背景には、次の衆院選で電子化への反対を掲げて医師会などの票を取り込もうとする一部の野党の戦術があるようだ。与野党の間に患者や国民の立場より圧力団体の利益優先を競う風潮があるとすれば、憂うべき事態である。
診療報酬の明細書(レセプト)の電子化が全然進んでいないのです。進まない理由として、専用のコンピューターシステムを導入するための投資負担が重い、高齢の医師が経営する過疎地の診療所は電子請求の作業に十分に対応できない、などが上がっています。
しかし社説も指摘するとおり、レセプトが電子化されると診療報酬の不正請求がチェックしやすくなるからだと感じます。
申告の時期に病院や薬局の領収書を整理するのは厄介なもので、領収書を無くしたりしています。これが完全電子化すればどんなに有難いか。全く、いい加減こんなアホな言い訳は止めて、医療分野も明朗会計にしてもらいたいですね。
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社説1 レセプト完全電子化を後退させるな(3/9)
経済社会の様々な場面でIT(情報技術)が革新し、くらしが便利になっている。だがIT化が遅れている分野もまだある。代表は医療だ。
医療機関が患者を治療したり薬を処方したりしたときに健康保険組合などに出す診療報酬の明細書(レセプト)も、IT化はさほど進んでいない。2008年 12月診療分の電子請求の割合をみると、病院は57%だが診療所は4%にすぎない。歯科の請求にいたっては、いまだにすべて紙のレセプトに頼っている。
政府は11年度から完全に電子化すると閣議決定済みだ。ところがこの公約をほごにして「完全電子化」を「原則電子化」に変え、3月中に閣議決定し直すよう求める声が自民党内に急速に広がりつつある。
同党の支持基盤である日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の反対運動を受けた動きだ。その理由として、専用のコンピューターシステムを導入するための投資負担が重い、高齢の医師が経営する過疎地の診療所は電子請求の作業に十分に対応できない、などをあげている。
しかし、これらは電子化を忌避するための言い訳ではないか。診療所のシステム投資には税制上の支援策や厚生労働省の独立行政法人による低利融資がある。診療報酬政策でも電子化への加算制度を設けた。コンピューター操作に難がある高齢医師などを対象に、地域の医師会が請求を代行する仕組みも準備中だ。
完全電子化は必ず成し遂げるべき医療制度改革の柱である。請求事務の効率化や人件費の圧縮を通じ、国民医療費の増大を抑えるのに役立つからだ。電子請求があまねく行き渡れば、病気の種類ごとに治療方法を標準化する作業にも弾みがつく。
さらに医療機関が診療報酬を請求する過程が健保組合や患者本人にガラス張りになり、過大請求や不正請求があった場合は即座に見抜けるようになる。一部の医療関係者に根強い反対論の根っこに、ガラス張り請求への抵抗があるのだろうか。
医療政策に影響力を持つ自民党議員のなかには、電子化を強いれば閉院を余儀なくされる診療所が出てくるので地域医療が崩壊するという声がある。小泉構造改革の負の側面だとレッテルを張り、世論の共感を得ようという思惑も見え隠れする。
その背景には、次の衆院選で電子化への反対を掲げて医師会などの票を取り込もうとする一部の野党の戦術があるようだ。与野党の間に患者や国民の立場より圧力団体の利益優先を競う風潮があるとすれば、憂うべき事態である。
Posted by 昏君 at 23:15│Comments(4)
│IT政策
この記事へのコメント
どちらかと言えば、医師会に圧力団体のレッテルを貼っているのは、むしろ日経その他のマスコミなんですが。
それと失礼ながら言わせていただければ、領収書の整理や管理は自己責任の下に行うべきで、こんな理由で医療機関の電子化を要求するのはお門違いかと存じます。
それと失礼ながら言わせていただければ、領収書の整理や管理は自己責任の下に行うべきで、こんな理由で医療機関の電子化を要求するのはお門違いかと存じます。
Posted by orz at 2009年03月11日 00:39
>orzさん
領収書の整理や管理は自己責任のは、仰る通りです。
ただ医療業界の内実を知らない者の率直な感想です。
一般民はそんな風に思っているものだと、ご容赦下さい。
領収書の整理や管理は自己責任のは、仰る通りです。
ただ医療業界の内実を知らない者の率直な感想です。
一般民はそんな風に思っているものだと、ご容赦下さい。
Posted by 昏君 at 2009年03月11日 12:08
年よりにはコンピューターきついので、父は、電子化されたら医院やめるしかないとあきらめてます。もうちょっと、年よりのこともかんがえてあげれば?
Posted by sd at 2009年04月08日 00:33
>sdさんそう言った電子化が難しい環境のお医者さんも沢山いらっしゃるとは思います。しかし、将来的には電子化の流れは止められない気がします。全面反対ばかりでは無く、電子化の難しいお医者さんへのフォローを十分に考えた政策を、国に対して提案してはどうでしょうか。
まー、そう言う条件を国から引き出す戦略としての、全面反対なら素人がどうこう言う事ではありませんが。
まー、そう言う条件を国から引き出す戦略としての、全面反対なら素人がどうこう言う事ではありませんが。
Posted by 昏君 at 2009年04月12日 16:54